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じめっとした風が少し開いた窓から流れ込んで来るけど
嫌じゃない
今にも泣き出しそうな黒い雲も
雨のにおいが混じる特有の空気も
ガヤガヤ騒がしい眠らない街の騒音も
気にならないくらいに
俺のTシャツを握りしめる細い指が心地良い
震えるくらいに
強く握りしめる指
上から包み込んだら
驚いたように見上げる瞳
昔みたいにまっすぐで
昔みたいにちょっと怯えてて
昔みたいに照れ臭そうに微笑む
まるでタイムスリップをしたかのように
懐かしい時間がここにある
その全部が心地良い
.
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