先輩と死にたがり。

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    目指すは、屋上。     星子先生がいない内に、保健室を抜け出して2階分の階段を上る。     (今日は全校集会だ)     がらんとした校内を歩きながら体育館へ視線を向けた。 …が、巽はえっ、と声を上げて正面に向き直した。 (気の…せい?) 体育館の途中、中庭の桜の木の下。 そこに立っていた赤い髪の人と、しっかり目が合った気がしたのだ。 けれど、今は全校集会の最中。 (生徒会がいるし、サボる人なんていないよね) この学園の生徒会はアイドルに匹敵する、と星子先生が言っていたのを思いだし、僕は自己完結して歩き出した。 .
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