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『あぁ~、やっと飯やぁ!』
誠が昼休みになった途端に教室に駆け込んできた。
「サク~、あと2時間で勝負の時間やな!俺はサクがいてるから何も怖くないで!」
『ハハハ、ほんまお前は単純やな!』
なんかその誠の一言が俺の不安を飛ばしたような気がする。
「俺は吐いたら嫌やから弁当食べません!」
悠輝も吹っ切れたようだ。
『ハハハ、なんやねんそれ?食べとかな力つかへんぞぉ~。』
「まだあいつ寝てんやん!あいつ、いつも寝てんなぁ。」
『あぁ、中尾やろ?あいつは常に寝てるからなぁ。夜なんかしてんちゃん?』
中尾光一(なかおこういち)何故か入学して初めて喋った時から馴れ馴れしいっていうか優しいっていうかよくわからない子。
「ふぁぁぁ~あ。」
中尾がこっちに向かって歩いてくる。
「サクちゃん、弁当くれ。」
『起きてきていきなり!?』
「いいやん!卵焼きくれよぉ。」
「あいつ桜には心許してるからなぁ。」
悠輝が小声で誠に話している。
卵焼きを勝手に食べている中尾が俺らの話しに入ってきた。
「サクちゃんら、誰かと喧嘩すんの?」
『あぁ!!勝手に食べるな!喧嘩ねぇ、山本らとやるつもりやねん。』
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