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箱入娘
時計の見えぬ角度で
あなたを好きなった
冬の海に浮かぶポリタンク
どうして私はそこにいない
期待の壊し方
独りでに覚えていた
誰の思いも汲めず
誰の痛みも掬えずに
夕日浴びた屋根裏
出窓から差し込む光は
私を見つけることが出来ぬまま
足元で果てるのでしょう
あなたが染める私を
人はいつか哀れむ
水平で煌く人口の輝石よ
私と代わってはくれまいか
嗚呼 未練がましいその心
揺れ動く季節に左右され
嗚呼 苦情の涙を零すなど
可笑しかな 可笑しかな
「独りではない」
そのような戯言を
「愛し過ぎる」
そのような虚言を真に受けて
夕日浴びた屋根裏
出窓から差し込む光は
私を見つけることが出来ぬまま
足元で果てるのでしょう
風が雪を消し去るように
果ててしまうのでしょう
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