この学院を生き抜く為に…

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むぎゅ…。   何だろうか、顔全体を包んでくれるマシュマロみたいな柔らかいものは。   私はそのまま顔を上に上げた。   目の前には、顔を真っ赤にしながらも撫でてくれる院長さん。   現在の状況を結論で言うとこうだ。   今、私は院長さんに抱きついており、顔は胸に押し込まれている。   そんな中、院長さんは顔を真っ赤にしながらも、私に微笑んでくれている…。   「…ってうわぁぁぁぁ!」   私はとっさにその柔らかい楽園から離れ、すぐさま謝罪をする。   「本当にごめんなさい!」   私が何度もあやまると院長さんは手をぶんぶん振り、   「いいんですよ!?気にしないでください。さぁ早くこちらに…」   院長さんは微笑み、私を誘う。   覚悟を決めた私はそのまま院長さんに抱きついて時を待つ。   「さぁ、お二人も私の手を繋いでください」   手を差し伸べる院長さんに頷いた2人は院長さんと手を繋いで私と同様時を待つ。   「では、行きますよ。ハグリナ・ソワカ・グリンテス・ハウリカ…」   院長さんが呪文を唱えると周りが青いオーラで包まれる。   他の生徒達はそれを見てびっくりしていた。   無理もない。   こんな高度な技は普通では見れないからだ。
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