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「誘え、我が示しの道へ!」
院長さんが呪文を終えた瞬間、私の視界は体育館から青の視界になった。
そしてその視界は、数秒で消え去り、見たこともない部屋にたどり着いた。
そこは横に本棚がずらりとあり、窓はベージュのカーテンが太陽の光とマッチし、部屋は鮮やかな光に包まれていた。
窓の前には勿論、院長さんの書類机があり深紅のカーペットが高級感をただよせる。
「凄い部屋ですね」
「ありがとうございます」
院長さんは私に向け微笑む。
本当、優しい人だと感じる。
「まぁそれはいいんだけどさぉ…いつまで抱きついているんだい?」
「わ、わわ、ごめんなさい」
焦る私を見てまた悪魔笑みを見せるひよりん。
いつの間にかひよりんと蘭花さんの2人は院長さんの手を離してた。
私だけ、抱きつきっぱなしだったのか…凄い恥ずかしい。
「いいのですよ。私は席に座りますね」
そう言うと、院長さんは席に座った。
「では、お話をしましょうか。まず、ヴァレンさんの正体についてを」
院長さんは真面目な顔をして私を見た。
それに応じてひよりんや蘭花さんも真面目な顔をする。
私は唾を飲み込んだ。
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