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ハクとしばらく森を行くと、ぽっかりと空いた広場のような所に出た。
広場の周りを木の枝を結び付けただけの囲いがあり、その中に本当に小さな集落が寄り添うようにあった。
「あたしの家だよ。」
にっこり と笑うハク。
私もつられて笑顔になった。
囲いの中に入った瞬間、集落の人間が槍のように尖らした粗末な木の棒を抱えて家々から飛び出してきた。
私は身構えたが、集落の人間がハクを見るや棒を落とし、目に涙を浮かべて「ハク」と呼びながら駆け寄ってきた。
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