♠一番目のアリス♠

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朝、集落の中央で、“ヒトであったモノ”を見つけた。 頭と胴が泣き別れして、四肢が無惨に千切り、噛み切られていた。 「アアアアア!! にーちゃ!!にーちゃああ!!」 深紅の華を咲散らした中を、“ヒトであったモノ”の身内の男の子が駆け寄って行く。 強く抱き締め、泣きじゃくる。 男の子は染まっていった。 赤く紅く朱く、そして黒く。 「“歪んだ闇”の仕業だ。」 「何故こんなにも我々の心を黒く染めるのだ。」 長老が、住人たちが嘆くように呟く。 アリスは見た。 男の子が真っ黒に染まったのを、そしてアリスも真っ黒に染まったのが分かった。  
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