第一章「招待」

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辺り一面鬱蒼と生い茂る木々のグラフィックが広がっている。そこで一人の男がもくもくと何かを探しているようだ。年齢は二十歳前後に見える。髪型は黒のセミロングだ。 「くそっ、ここもハズレか?」 彼は今サルベージの真っ最中。サレベージとは、すでに閉鎖されたサーバー内を探検、発掘することである。ほとんどの場合、閉鎖されたサーバー中には使えそうなデータやプログラムは存在しないのだが、ごく稀にレア物が落ちている可能性がある。 しかし、そう簡単に見つかるはずもない。その整った顔をすこし歪め、彼は地面を軽く蹴り、溜息をつきながらその場を後にした。 そうしてしばらく森の中を歩いていると、目の前に青い光の柱が見えた。その中に彼が入ると、足のほうからどんどん体が消えていく。そして彼の姿は完全に消えた。
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