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「今回は収穫無か……」
現実世界にもどった彼は、残念そうにそう呟くとリビングにあるソファーにぐったりと座りこんだ。
「オカエリナサイマセ」
片言で出迎えてくれたのは、彼が以前ネット通販で購入した家政婦アンドロイド、通称「D2(ディーツー)」。
「あぁ、ただいま」
「ゴシュジン様、1件新着メールがトドイテオリマス」
「誰からだ?」
「ネットワーク管理局カラデス」
彼はその言葉に眉をひそめる。
「開いてくれ」
彼がそういうとアンドロイドは目から光を放出しはじめた。そこには一人の黒いスーツ姿の男性が映し出された。年齢は30前後といったところか。髪はスーツと同色で短髪だ。
男がしゃべりだす。
「初めまして。わたくしはネットワーク管理局アリス監視部部長の小沢(おざわ)と申します。今回、我々からあなたにお願いしたいことがあり連絡させていただきました。明日の午後2時にネットワーク管理局のサーバー入口に来てください。詳しい内容はそちらでお話いたします。では、お待ちしています。最強のハッカー集団『ゴースト』の元リーダー、神星 蛍(かみほし ほたる)殿」
「以上デス」
D2がそう言うと、さっきまで映し出されていた男の姿は消えた。
「!?? こりゃ行かざるをえないな」
蛍は少し苦笑いを浮かべ、そう呟いた。
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