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午後1時45分。蛍は約束のとおりネットワーク管理局サーバーの入口の前に立っていた。辺り一面緑色の無数の線が交差した地面が広がっており、青い光の柱が6本ほど、上空に向かって伸びている。そこを先ほどから、かなりたくさんの人たちがいきかっている。おそらくここの従業員だろうが、皆とてもあわてているのうに見える。そんな光景を、蛍はただボーッと眺めている。
すると、ふいに後ろから女性が話かけてきた。
「久しぶりね、蛍」
その声に蛍が振り向くと、そこには腰ぐらいまである長い黒髪で、すらりとした体型の女性が立っていた。身長は蛍と同じぐらいで、170前後だろう。年齢も蛍と同年代くらなのだろうが、どこか大人っぽさを感じる。真ん中で分けた髪の毛の間から見える少し細めの輪郭をした顔は、やさしい笑顔をしていた。
「おぉ、久しぶりだな。綾香(あやか)」
彼女の名前は柳 綾香(やなぎ あやか)。元ゴーストのメンバーで、腕利きのスナイパー。
使っているアームズはレーザースナイパー銃。高威力だが一発撃つ度に3秒ほどエネルギー充電が必要なため連射ができない。
「ここで何してるんだ?」
「呼ばれたのよ。ネットワーク管理局のヤツに。アナタはなんでここにいるの?」
「俺もお前と同じさ。ん? まてよ? お前も呼び出しかかってんならもしかして……」
「おぉーーーい!!! 二人ともぉーーーー!! こっちや、こっち!!」
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