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閑話休題。思考がずれてきた。
兎にも角にも、僕は同類が欲しかった。僕の同類ではなく、『わたし』の同類が欲しかった。僕の嘘を、見破れる人に会いたかった。
でも実際は、僕は僕のままで。わたしはわたしのままで。
わたしは僕だけれど、僕はわたしじゃなくて。
……それでも時は流れているわけで。
つまりは、
「なんだかなあ……」
「そこ、私語は慎め」
僕のぼやきを敏感に察知したねちっこい数学教師が高圧的な目線を向けてきた。
やれやれ。私語じゃなくて僕語だ、なんて無駄な抵抗をする気にもならないゼ。なんちゃって。
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