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◆ ◆ ◆
ふわふわふわふわ。僕は宙を漂う。
僕は夢を見ていた。いつもの夢だ。
ただいつもと違うのは、これを夢だと明確に理解していること。今現実世界では授業中だということ。それと、『わたし』が『僕』のまま夢を見ているということ。
うぅむ、これは厄介。
当てもなく真っ暗闇の中をただ揺蕩っていると、どこからともなくまた泣き声が聞こえた。押し殺したようなその声に導かれ、僕は流れ行く。
――ねえ、君はどうして泣いているの?
目の前の誰かに尋ねる。
相手からは静かな泣き声だけが返ってきた。
僕のままここにきたのは初めてだから戸惑ってしまう。慰めるべきかな? 子供嫌いだけど。
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