世界は愛で満ちている!

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僕は教室全体に響くような声で異議を申し立てた。僕の声はよく響くと評判だ。 「年がら年中遅刻してるじゃないか」 「まあその通りですけど!」 「逆ギレすんな」 「逆ギレに憧れる年頃なんです」 「反抗期か」 「いえ、倦怠期です」 「意味がわからん」 「僕にもわかりません」 ぽんぽんとテンポよく続く会話に、クラス中が笑いで満たされる。藍藤学園高等部名物とまで言われるようになったコレは、もはや恒例行事。ある女子生徒なんかはこれを見ないと調子が狂うのよねー、と言っていた。
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