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「もういいから、さっさと席に座れ」
しっし、と追い払うように手を振られた。そんなに僕が嫌いですか先生。
「今日のアンラッキーアイテムは椅子なんです」
「占い信じているのか」
「はい。悪い占いだけ」
「ネガティブだな」
「根暗なんですよ、僕」
嘘つけよ、とクラスメイトがまた笑う。「何でもいいから席につけ」と言われ、「可愛い教え子が不幸になってもいいんですか!」と軽口を叩きながら席についた。
笑いが波紋のように満ち、その中心は僕。
これが僕の日常。僕の舞台。
反吐が出るほど平和で、吐き気がするほど幸せな時間。
はたして今日、僕は何百回嘘をつくのかな。
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