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奴は確かに、この部屋に居る。
どこだ。
どこを見ても、奴を発見する事ができないのだ。
奴を探すだけで、私は妙な汗をかく。
早く姿を現せ。
私の部屋を徘徊するんじゃない。
ここは私の世界だ。
お前なんかに汚されてなるものか。
さぁ、お前を殺してやる。
私の太ももには、お前にやられた腫れがある。
二箇所もだ。
貴様のような下衆に、私の血など吸わしてなるものか。
ああ、痒い。
この赤点の腫れ物を掻く度に、私は肩に電気が走る。
これが時に快感であるが、掻かなければムカムカする。
この落ち着けない腫れ物を残した侵入者よ。
君には血をやろう。
しかし、私に何かを与えよ。
君が一方的に私を害するのは止めたまえ。
こちらが血を差し出す代わりに、君には何かをしてもらう。
これが平等というものだろう。
これが賢い者のすることだ。
さ、何かを差し出したまえ。
そうだ、君の死を賜ろう。
君が死んでくれれば良いんだ。
その肉体を曝け出せ。
隠れてないで、私の視界に入るが良い。
君の死を賜ろう。さすれば俺の血は報われる。
さすれば俺は報われる。
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