許せない…

4/30

9256人が本棚に入れています
本棚に追加
/647ページ
オペ室の前まで行くと、オペ室の前には、琢磨と爺ちゃんがソファに座っていた。 倖宏達の姿に気付いた琢磨と爺ちゃんが、倖宏達に近づく。 血相を変えた爺ちゃんが、 「何があったのじゃ…?」 興奮させた状態で倖宏の手を取り、尋ねてきた。 倖宏は、爺ちゃんの手を優しく握り返し、 「ごめん…  まだ、詳しい説明は、出来ないんだ…」 暗い表情で答える。 「わぁーーー……」 いきなり夢奈が、座り込み、両手で頭を抑え、悲鳴をあげ始めた。 「ごめんなさい…  ごめんなさい…  私のせいなの…  私と2人っきりの時に…」 体を震えさせ始める。 倖宏は、祖父から離れ、 「夢奈…  後でで良いから…  …今は何も話さなくて良いから…」 優しく夢奈を抱きしめ、耳元で囁く。 夢奈は、倖宏を突き離し、首を左右に振りながら、 「っ…私が悪いの…!!  智貴君がいきなり倒れたから…  私、心配になって…  っ…智貴君…は、ずっと…、私に向こうに行くように、言ってたのに…  身体がいう事聞かなくなる前に…って、何度も言ってたのに…  私がずっと、近くにいたから…  だから智貴君は……  私のせいなの………  私が近くにいたから、自分を抑えるために…」 夢奈は、泣き叫びだした。 「身体がいう事聞かなくなる前にじゃと…?」 爺ちゃんが夢奈の言った言葉に疑問を抱く。 「その事なんだけど…  心当たりはある…」 倖宏は、重々しい表情を見せる。 「智貴…倒れる前に、差し入れの飲み物を飲まなかったか…?」 倖宏の問いに、琢磨の顔色が青ざめた。 「ちょ…、倖…、いくらなんでも、そこまではしないだろ…?  疑いすぎだって…」
/647ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9256人が本棚に入れています
本棚に追加