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私は何が起きたのか一瞬わからなかった。
そう、今日は私の・・・
私達の誕生日――。
「そ、そうだった。」
またにっこりと笑う由流。
袋から中身を取り出すとネックレスだった。そして彼はそれを私につけてくれた。
いい香り。
由流の優しい香り。
どこか懐かしいような
どこか真新しいような
よくわからない香り。
「ありがとう」そういった私の顔の真正面に彼の顔があった。
それに気がついてちょっとだけ顔を引いた。
私の頬に手をやる由流
「由良。会えてよかった。」
そのとき、ちょうど地上に着いた。まるで空中を飛び回った後みたいにふわふわした心地だった。
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