惨劇前の1日

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「おはよう~!」       「おはよう~!」                 「昨日のリンカーン凄い良かったよね~」     「見たんだ!? あれ最高だよね~!」        「ね~!」                 学校への坂道。        僕は周りが友達と仲良く登校しているのを横目で見ながら1人で歩いていた。         僕に友達はいない。      たとえ話す人がいてもそれはうわべだけの付き合いで実際はちっとも楽しくない。     でも僕が憂鬱なのは友達がいないというだけじゃない             「おい!昨日の言ったもん、ちゃんと持ってきただろうな?」       「……持ってきてない」       「あぁ!?ちゃんと持ってこいって昨日いっただろうが!このぐず!」         バキッ! ドカッ!             「ぐっ……」       「けっ!今度忘れたら承知しねぇからな!覚悟しとけよクズ!」                 イジメッコ。 僕が一番嫌いなものだ!   僕なんかをいじめていったい何が楽しいんだ?     こんな奴等がいるから余計に学校がいきたくなくるんだ…                 先生も嫌いだ。 小学校4年生のときの担任が酷いやつだった。 クラスのやつといっしょに嫌み、悪口を言ってくる。                 なんで僕がこんな思いをしなくちゃならないんだ?                 もう学校にいきたくない…     誰とも会いたくない。家に帰っても同じだ…                 僕の家庭はつい三年前までは凄く楽しかった。 学校もそれまでは凄く楽しかった。友達もいた。いじめてくる奴も嫌みな教師にも会わなかった。                 何もかもが楽しかった。           なのに…                  
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