惨劇の兆し

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「嫌い嫌い大嫌いだ‼」                 僕は大声で男に向かって叫んでいた       男はそれを聞くと何かを確信したようにうつむき… 何かを考えこんでいた                 男の大きなマントは男の姿すべてを覆い隠している… そのためどんな顔をしているか僕には見当もつかない。        僕は顔を見ようとマントの中を下から覗きこむように見上げた。                 !                  真っ暗だ…!       普通ならいくら何をかぶっていようが覗きこめば顔ぐらい見えるはずなのに全く見えない。                 「お…おじさん! 顔…おじさんの顔が…!」                 「見ない方がいい、見たら君はもう戻ってこれなくなるよ……………」           「も…戻れないって…どこに…?」                「この世からさ」                 『 な…何だよこの人…!』        普通じゃない…普通じゃない!                  は……早く逃げなきゃ………早く逃げなきゃ………早く…
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