第十話

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          僕が眠りから覚めて、目を開いた時に飛び込んできたのは何故か、柊さんでした。   もう門宮さんからの捕縛――いえ、今日の門宮さんとの学校生活が終わったのでしょうか…?     時間を確認してみた所、既に夕方の六時……大分寝ていましたね。 熱はどうやら下がったようです。神崎さんに移したかもしれませんね……     柊さん→僕→神崎さん     流石にこの流れは無いですよね。無いと願いたいです。       大体学校が終わったとは言え、何故に柊さんが僕のベッドに入っているのでしょうか……? それもご丁寧に制服を着替えてまで……部屋を間違えたじゃ済まされませんよ…!?     『取りあえず起きますか…』       しかし、体が動きません。 原因は柊さんでは無いようです。と言うことは………     『だから何故ここにいるんですか…!?柊さんと神崎さんが…!』       何なんですかこの女性達は!? 仮にも僕は男、あなた方は女。 男女差別だって?   そんなのこの状態にならないから分からないんですよ! 実際になったら混乱しますよ!       『だから…もう少し恥じらいを持って下さいよ……年頃の女性なんですから…』     「むつきが嫁に貰ってくれるから良いじゃないか…私と飛鳥はそう言う関係を持ったじゃないか?」   「うんうん…なのー」       起きていたんですか二人共…… 確かに、僕はあなた方と半肉体関係を持つまで行きましたが、この国は一夫多妻制など認められていませんし、何よりもまだ付き合っていません。     『記憶…早く戻りたいです』   「それは今の生活を否定したいのか?それとも、本当の自分を知りたいのか?」         それは絶対に後者です。 前者は有り得ません。 取りあえず、記憶が戻れば自分に正直になれるからです。    
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