第十一話

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      さて……時は大きく動いて一ヶ月を過ぎました。   僕の右腕の骨折はようやく完治し、左目は未だに包帯を巻いています。 数日前一度だけ包帯を解いてみたんですが……思ったより治りが遅いらしく、視界がハッキリとしません。     と言うわけで、僕は左目に包帯を巻き直し、過ごしてきました。 神崎さんと柊さんの力を借りて生活し、クラスでは柳葉君が主に…クラスの全員とも上手くやっていく事ができました。       いやぁ……最初の方はクラスの女性陣は驚いていました。どうやら記憶を失う前の僕は友好的ではなく、クラスから独立した存在だったらしいです。   記憶を失う前の僕は何やってたんですかコノヤローです。     その事を柳葉君に言ってみたら、見逃してしまう位の一瞬だけ雰囲気を変えていました。 何やら深刻そうな………しかし、その雰囲気はすぐに消え去り、ふざけ半分の返事が帰ってきたので……                           思いっ切りハリセンで頭を叩いてあげました。 たまたまクラスで一人の女子が 何 故 か 持っていたので、それを借りてスパーンと………悔いはありません。     ちなみに、そのハリセンをくれると言ってくれましたので、護身武器として頂きました。         あっと、そうそう……僕、只今最大のピンチを迎えております。   どうやら中間テストが近くに迫っていたらしく、僕は気付かずに過ごしていました。 それを知ったのは神崎さんのふとした一言でした。     何も勉強しておらずに、気付いた時には中間テスト三日前………鬱です。       僕は神崎さんと柊さんに縋るような思いで勉強を教えて下さいと頭を下げました。   男のプライド?そんな物記憶が失われたのと同時に失われましたよ?   今の僕には二人の女神しか頼る人がいません。      
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