第十一話

8/14

16602人が本棚に入れています
本棚に追加
/414ページ
      僕達は家を出て、学校への通学路をゆっくりと歩いています。 僕を真ん中にして柊さんが左、神崎さんが右に立っていました。   僕はついこの間、同じクラスの女性から譲り受けたハリセンを護身用の武器として鞄の中に入れています。 折り畳み式のハリセンらしく、コンパクトな形になるので持ち運びには便利です。     歩いている途中、ふと神崎さんが僕に話しかけてきました。       「そう言えば睦月、雅が一ヶ月前に商店街の福引きで海岸近くのホテル宿泊一泊二日の招待券を貰ったらしい。それで、私と雅、飛鳥と睦月の四人で行かないか?……と言う話が出たんだが」     『門宮さんって強運なんですね………僕なんかが行って良いのですか?』   「……初耳…なの」         僕と神崎さんに柊さんと門宮さんの四人……… あれ?男僕一人…? それを尋ねてみたら……       「私は睦月以外に男がいるのは嫌でな……飛鳥もであろう?」   「うにゅ…や…なの」       嬉しいのかどうなのか……完全なるハーレムですね分かります。   僕の返事は、当然断ることもなく、宿泊しに行くのはテストが終わった週の土日になりました。     テスト……今の僕の最強の敵であり、最大の壁なのです。                     さて、僕達は無事に学校へと到着し、クラスの違う神崎さんと別れて柊さんとクラスへ向かいます。    
/414ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16602人が本棚に入れています
本棚に追加