第十二話

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      僕達が教室に入ると、生徒の雰囲気は相変わらずでした。   友達同士で和気藹々と語っていたり、ふざけながら笑い合っていたり……など、今日にテストが行われると言う雰囲気からはとてもかけ離れていました。     本気で思うのは、今日テストなんですよ…!?         『いやはや…これが僕達のクラスの良い所かもしれませんね。この何事にも動じない精神』   「みゅぅ……むつきは違うのー……三日間頑張ったの…!」       僕の袖を引っ張り、柊さんは頬を小さく膨らませました。 身長差故に、必然的に上目遣いになりますから、更に可愛さが倍増したようです。   まぁ……三日間と言うキーワードは受け流しましょう。受け止めたら挫けてしまいそうです……         それからと言うものの、僕達はHRが始まるギリギリまでテスト勉強をしていました。   HRが始まってからは皆、頭をテストモードに切り替えたのか、一心不乱に「テストよ掛かってこい!」的な雰囲気に変わりました。     僕と柊さんは緊張感を持たぬように、お互いに多少の会話をしていました。   神崎さんと門宮さんは学年一、二を争う秀才ですし、柊さんも確実に上位に入り込みそうな気がします。   僕も一応詰め込むだけ詰め込んだので、教わった全てを吐き出すだけ。     ちょっと不安なのは柳葉君です。彼は普段、楽天的で少しお馬鹿な性格をしていますから、勉学の方はどうなのでしょうかね……?         「へっくし!」         風邪でしょうか?柳葉君がくしゃみをしたのが聞こえました。 決して噂をしたからではないと願いたいです。    
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