第十二話

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        結果的に僕は今、リビングの床にうつ伏せになって倒れ込んでいます。   俗に言う、事故現場に使われる人間の倒れていた場所に張られる人間の形をしたテープ………分かりにくい説明どうもすいませんです。     とにかく、夕食でのダメージが尋常ではないからこうやって死にかけているのです。   確かに美味しかったですよ? 美味しかったのですが、やはり柊さんの作ったロシアンクッキングが僕を痛めつけています。     胃がギリギリと締め付けられるような鈍痛と、背中に嫌な汗がしばしば……       「睦月大丈夫か…?」   『正直、キツいです。漫画のように超回復のスキルは持っていないので、回復に時間が掛かりそうです』     でも、喋れる位までには回復しましたよ?最初は酷かったです…呼吸出来るかすら危うかったから……   柊さんと門宮さんにはお腹がいっぱいだから小休止していると言い、彼女達に風呂に入るよう勧めました。       神崎さんは僕の異常に気付いて、僕の側に居てくれます。 僕が全快するまでの間、事情を知らない二人は風呂に入っているでしょう。   それまでになんとか全快しなくては……         「まったく…睦月も人が良過ぎるぞ?飛鳥には悪いが、食べるのを断れば良かったのに……」     『そうもいきませんよ。せっかく柊さんや神崎さん、門宮さんが作ってくれたんですから、残すのは失礼に値します』       量もきっちり計算されていたようですし、食べきれない程の量でもありませんでした。   神崎さんは含み笑いをした後、急に僕の目を自らの手で覆ってきました。       「仰向けになって、私の膝に乗ってくれないか?その方が楽になるだろうし……私も…してみたいし……」         最後は上手く聞き取れませんでしたが、僕は心底驚きました。 神崎さんが僕に膝枕をしてくれる……!?嬉しい事この上なしです!   僕は神崎さんの手に導かれるように仰向けになり、頭を神崎さんの膝に乗せました。     初めての体験でドキドキと心底の鼓動が早くなりますが、神崎さんには聞こえていませんよね……?     「ふふふ……夢が叶ったよ」   『夢…ですか?』       僕が聞き直すと神崎さんは手を退かし、改めて良好になった視界には、神崎さんのたわわな御胸様と顔を紅潮させる神崎さんが入ってきました。        
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