第十二話

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        それにしても、女性の体って柔らかいのですね。勿論性的な意味じゃありませんよ!?   男とは違って筋肉質でもなく……とにかく心地が良いです。     「全く…睦月はえっちだな」   『えーと……すいませんです。女性との付き合いは少ない方なんで、ドキドキするんですよ。特に、神崎さんの最後の言葉にドキッとしました』         嘘偽りの無い純粋な気持ち……罵られようとも、この気持ちに嘘は付きたくありません。   例え過去の記憶が戻ろうとも、この気持ちだけは残しておきたい物です。       「ふふふ……睦月は優しいな……そうだ、睦月が記憶の無くなる前の話でもしようか…? 私達が出会ってから、睦月が記憶を無くすまで。それで記憶が戻るかもしれないぞ?」         有り難い申し出ですが、未だに過去の記憶と向き合う決心をしていないのでね……僕はやんわりと断りました。   その際、神崎さんが再び含み笑いをしました。 その時までには僕の体調も完全に良くなり、名残惜しかったですが神崎さんの膝上から退きました。     すると、タイミングを見計らったように柊さんと門宮さんがリビングへとやって来ました。 どうやら風呂から上がったようで、湿った髪を揺らしながら僕と神崎さんの前に腰を下ろします。     門宮さんは柊さんにベッタリとくっ付き、満面の笑みを浮かべていました。   一体あの短時間で何があったのでしょうか…?二人の親密度が凄まじく上昇したような気が……         「か弱い乙女の秘密だよ☆」   「…秘密…なのー……」       秘密ですか……まぁ、深く追求しないほうが良いかもしれませんね。   そう言えばふと思ったんですが、門宮さんは何事も「乙女の――」で終わりますよね? 何故なんでしょうか…?     ………っは!?もしやそれこそ乙女の秘密なのでしょうか…!?     世の中には不思議がいっぱいです。まだまだ世間知らずなんですね。      
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