第十三話

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        おや、これを聞いた神崎さんが何やらそっぽを向いて両人差し指をクリクリとこねくり回しています。   ふむ……もう一押ししてみましょうかね…?   僕は神崎さんの真隣に接近し、耳元で囁きます。       『欲求不満、マゾヒスト、淫乱で変態な神崎さん……もしかしたら部屋で自慰行為でもしていたんですか?』       いやー……僕、結構酷い事言っていますよねー? 女性にこんな事言うのは重度なセクハラな気がしますが……自重します。       『否定するなら、非難するならどうぞご自由に。 そうだ、僕は少々ここを離れますので、柊さんと門宮さんと一緒にいてあげて下さいね? か ん ざ き さ ん』         仕上げに耳に息を吹きかけて僕は海から上がり、不思議そうに僕達を見ていた柊さんと門宮さんの方へ向かいました。   そして二人に少々この場を離れると伝えた後、僕は一人彼女達から離れて海岸を沿って歩き始めます。     彼女達も、僕がいては話せない内容の事もあるでしょうし、少しの間離れた方が良いかもしれませんね。         ………いや、僕が一人になりたかったのかもしれません。 先程から…涙を流してから、どうやら僕は精神的に疲れが来たのかもしれない……   こうやって歩いている間、段々と波の音まで聞こえて来なくなりました。 確かに波は流れていますが、僕の意識が波からかけ離れていきます。       ……あれ…?   おかしいですね……   段々と視界がブレて…前が見えなく……なって――     ――――― ―――― ――― ―― ―    
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