第十三話

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            次に僕が目を覚ました時、初めに目に映った光景は砂浜でした。 恐らく永遠と海岸で倒れ、気絶していたようです。   何故か体に力が入らず、体の筋肉一本動かせませんでした。       太陽の光も和らぎ、優しい風が吹く……心地良いです。   このまま…眠ってしまいそう…     もう…疲れてしまいました……記憶の欠片を取り戻した時の精神的苦痛……嫌悪、恐怖に…疲れました。       ねぇ、記憶が無くなる前、無くなった後に出会った人達……   もしも、僕が動かなくなっても悲しんでくれますか…?   もしも、僕がこの世からいなくなっても心の隅に存在してくれますか…?         こんな所で力尽きはしませんが、しばしの休息をよろしいでしょうか…?   あぁ……神崎さん、意地悪してごめんなさいです。       ……痛っ…!頭が…ズキズキします…長時間太陽光を浴び続けたからでしょうか?   それとも、僕の記憶が少し戻るからでしょうか?     どちらにせよ、この痛みに意識を保っていられない程精神が弱っているようです。                 再び、僕の意識は混沌へと沈み込んでいきました――    
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