第十三話

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      ――――――――――     何時ものように、僕は過去の記憶を見ているようです。   時は…恐らく中学生。 何時ものように、僕と一人の女性が僕の家で遊んでいました。     どうやら二人でトランプをしているようで、ポーカーをしています。   何やら負けたら一つ命令を聞くとか…ありがちな罰ゲームですね。     おっと、やはりポーカーは展開が早く、もう結果が出たようです。 僕がフルハウスに対して女性はストレートフラッシュ………圧倒的に僕の負けですね分かります。       女性は嬉しそうな身振りをして、僕に抱きつきました。 いえ、押し倒した……が正しいでしょうか。   僕と女性は一体どういう関係で…誰なのでしょうか…? 流れからして彼女……か友達ですよね?     もしもそうならば、女性は一体どこに……?         胸が締め付けられます。 頭が痛み出しました。 同時に、凄い虚無感まで……こんなに酷いのは初めてです。   早く…早く収まれ……早く治れ……早く起きろ…!     ここから逃げ出したい。 …逃げてどうするんですかね…? 立ち向かわなきゃ駄目なのに…逃げたら駄目なのに。     『あなたは一体誰なんですか…?』       段々と過去の記憶から覚めていく時に呟いた一言。 返事は無いはずなのに、どこか遠くから聞こえてきました。     【むーちゃんのバーカ!】     懐かしい声。 僕はそれを聞き届けてから再び現実世界へと覚醒するのでした。     ――――― ―――― ――― ―― ―  
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