第十三話

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      突如として白みを増した意識。波が止めどなく流れる音がする。 体が熱い…頭が痛い…   しかし、起きなければ……     『っ…』     目を覚ました時、視野には木材で造られた天井が広がっていた。 頭にはタオルが乗っていて、頭を冷やされている……       『ここは……っがぁ…!』     再び、頭を貫かれたような鋭痛が迸る。思わず頭を抑え、その場にうずくまった。   ここは屋内…誰かが連れてきてくれたようですが、僕は一人にならなければいけません。   タオルを外し、フラつく体を支えながら立ち上がります。 どうやら海の家の奥らしく、賑わいがありました。 奥と言うのは店員の休憩室であり、僕はそこに運び込まれたみたいです。     僕は左手で頭を抑えながら休憩室を出たら、沢山の人が海の家で食事をしたり、談笑などをして賑わっていました。       しかし、今の僕には地獄絵図のようにしか見えません。   互いに笑う合う声、顔、気配全てが…僕の心を急速に凍らせていく……     くだらない…実にくだらない。   僕の心は凍え、次第に頭痛も引いていく。   頭に唯一浮かぶのは夢の中に出てくる女性のみ。       冷めた瞳で見ていた僕に近寄ってきたのは一人の女性。恐らく海の家の店員なのか…はたまた僕を連れてきた本人なのか……     「良かった、起きたのね?砂浜で倒れていたからびっくりしたわよ…?」     年齢は明らかに僕よりも年上で、二十歳前半でしょう。 海の家と書かれたエプロンに、緑色の三角巾を頭に巻いていました。       『すいません、ありがとうございました。助けていただいて感謝します』   「気にしないの。困った時はお互い様よ?」     『わざわざありがとうございました。恐らく共に来た友人達が探しているかもしれないので、僕はこれで失礼します。 お昼は是非ともここで食事しようと思います』       僕は店員の女性に頭を下げ、足早に海の家を去りました。                       「あれが睦月君…ね…祐介君の言った通り、私の顔も忘れてしまったようね」      
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