第十三話

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      私達が海の家にあるテーブルに着くと、店員らしき女性がやってきた。 海の家とプリントされたエプロンをして、とても若い女性だった。 雅が何故か、   「海と言えば海の家!海の家と言えば焼きそばだよ☆」   などと良い、私達全員で四つの焼きそばを注文してしまった。       『あ、焼きそばが来た十分後にかき氷もお願いします。味はメロン味で…』   「おぉ、忘れてたよ!私もかき氷が欲しいっ!いちごー☆」   「ぶるぅはわい…が良いのー」       私は…かき氷はいらないかな。 確かに美味しいが、かき氷を食べると頭が痛くなるのでな……あと、舌も冷たくて少々苦手なんだ。   私は丁寧に断ると、店員は注文を受けて厨房へと向かった。       その間に私達はたわいもない会話をしており、あっという間に注文した料理が運ばれてきた。   四人分の焼きそばを両手に持ち、軽々と運んできた先程の女性………     アレか?私の周りにいる人物は超人的な能力の持ち主なのか? 睦月と飛鳥だけはまとも…だと信じたいものだ。       「さぁさぁ、目的の料理も来たことだし、食べよう!いただきまーす☆」       雅の声に続いて、私達もいただきますと言い、食事を開始した。 一緒に運ばれてきた割り箸を使い、焼きそばを口に運ぶ。   ……私は自分が調理師ではないから上手くは言えないが、この海の家の焼きそばはとても美味しい。     『おぉ、凄い美味しいです』   「…うまうま…?」   「むむっ、まさかここまで美味しいとは…やるなぁ…!」       どうやら私の味覚はおかしくなかったようで、皆それぞれが高評価を出していた。   すると私達の声を聞いたのか、機嫌を良くした先程の女性店員がニコニコと笑顔を振り撒きながら飲料水をテーブルに置いてくれた。    
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