第十三話

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        何はともあれ、私達はその後も海で沢山遊んだ。 四人でビーチボールを使ったり、競泳したりとか色々。   うん、一番印象に残ったのは雅が睦月にビーチボールで滅多打ちしていた所かな。 甲高い声で雅は笑い、睦月は必死にビーチボールを避けたり打ち返したりしていたよ。     後は…飛鳥と睦月、私と雅で砂浜でサンドアートをしていたな。 飛鳥と睦月はバケツ位の大きさの小人を作っていたが、やはり雅は一味違った。   何故か物凄い技術があって、簡単な城を作っていたよ。 私が手伝ったらむしろ邪魔をしそうだったな………そうそう、せっかく完全させた城を縦に半分崩し、その部分に睦月と飛鳥が作った小人を乗せていた。     その名もなんと、 「謀反を起こした民」 だそうだ。あまりにも具体的過ぎて、私達三人は苦笑いを浮かべるしかなかった。             そうして楽しく過ごしていたら、時間の進みはなんと早い事か……すでに夕暮れになっていたんだ。   流石に日が暮れると冷え込んで来るから、私達は早めにホテルへと戻る事にした。     だが、ホテルに到着してから新たな問題が発生したのに気が付かされた事になる。         私達の泊まる部屋以外に、もう一つだけ部屋が空いたんだ。 すると睦月は早々と手を上げ、その部屋に行きたいと志願してくる。   私的には行ってほしくは無い。 もっと睦月と話したいことがあるんだ……色々とな。       そんな事までぼそりと呟いたら、幸か不幸か…雅の耳に声が届き、強制的に私と睦月が同室にされてしまった。   ……素直に嬉しく感じてしまう自分がいる。    
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