第十三話

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      だから今は、睦月と同じ部屋に私はいる。     海水で若干体が嫌な感じになっているが…まぁ、それは仕方がないな。 先に風呂に入らせてもらおう。   完全に服は乾いているから、少しの間はまだ水着の格好で居ようかな。勿論Tシャツは着ているぞ? 私かて水着だけでずっと部屋に居るのは恥ずかしいからな……     睦月も同じ考えなのか、海水ズボンにTシャツを着ていた。         『うん?どうかしましたか?』   「いっ、いや……海で睦月の体を見たら逞しいな…と。やはり睦月も男なんだな」       思わず隠れて魅入ってしまったよ。どうしようか……睦月を見ていたら顔が熱くなってきた。     『神崎さん、顔が紅いですが…大丈夫ですか?熱とかはありませんよね…?』       睦月は自分の額に手を当て、私の額にも手を当てて体温を比べてきた。   Tシャツを着ているとは言え、睦月が近くに居てしまうだけで今は思い出してしまう……     睦月との会話、言い争い、遊戯、生活………そして性行為の一歩手前まで。         「…あぅ…ぁ…っ…!」   『本当に大丈夫なんですか…!?顔真っ赤だし、目はあちらこちらに泳いでいるし』     「だだ、大丈夫!わわわ私は先に風呂に入らせてもらうからっ!」         私は挙動不審になりながら、部屋に付いている風呂場へと駆け込んで逃げ出した。    
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