第十三話

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        ………神崎さんが風呂場へと走っていってしまった。何故走って行ってしまったのだろうか…?     あぁ、神崎さんは女性ですからね、海水が嫌な気分にさせているから早くすっきりさせたいのか。   そうですね、僕も入らせてもらおうかな……先程からTシャツが海水でパリパリになっているんですよね。         さて、神崎さんが戻ってくるのは少なくとも三十分はかかるでしょうね。 その間僕は柊さん達の部屋でも訪ねてみましょうか。     僕は部屋の鍵を持ち、柊さん達の部屋へと向かいました。 鍵は二人分あるから持っても大丈夫なんです。   柊さん達の部屋は僕達の部屋から少し離れた所にありますが、三十秒あれば着きます………やはり少し遠くですね。         すぐに柊さん達の部屋の前に到着したら、扉をコンコンと叩く。 すると、部屋の中から柊さんの声が聞こえ、鍵が開いて扉が開きました。       「むつきー……!」     扉が開いてすぐ、柊さんが僕に抱きついてきました。 一体どうしたのでしょうか…?       「おぉ?睦月君じゃないか☆どうしたのかなー?」   『いえ、神崎さんが入浴中なので、その間僕は柊さんと門宮さんの部屋に訪ねようかな…と。 それより、柊さん…どうしたんですか?』     「うみゅ…寂しかったのー…」       門宮さんが居るじゃないですか……しかし、僕も嬉しいですね。 あの対人恐怖症だった柊さんも、次第に治り始めていますし、寂しかった…と言ってくれるんですから。 それに、門宮さんと同室になれるとは大進歩です!         「ちょっと睦月君?それはどう言う意味なのかな?まるで私が飛鳥ちゃんに何か仕出かすみたいじゃないか」     『実際、手を出しますよね?』   「勿論☆」       そこは否定してほしかったなぁ……多少だけど門宮さんを信用していたのに。     「大丈夫!睦月君のために飛鳥ちゃんの初めては取っておくから!」   『舐めているのかコノヤロー…です』     「…みぃ…えっち…!えっちは…めっ…」       柊さんに怒られる門宮さん……門宮さんに唯一対抗できるのは柊さんだけかもしれませんね。     「えへへ、飛鳥ちゃんが可愛いのがいけないんだぁ!」       何時の間にか柊さんを手中に収めている門宮さん……早い!?    
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