第十三話

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    「みぃ…離してー…!」   「駄目だよー!飛鳥ちゃんと私は今から海水を落とさなきゃ。悪いけど睦月君、これからムフフな入浴タイムだから……」     『いえ、くれぐれも危害は加えないで下さいよ?柊さんを泣かせたら怒りますからね…?』         僕の忠告に、門宮さんはビシッと敬礼をして返事をしてくれました。 柊さんも流石に諦めたのか、門宮さんに連れられて風呂場へと連行…もとい、入浴しに行きました。   僕も部屋に戻るとしましょうか。二十分は何故か経っていますし、少し記憶の整理でもしますか……あの女性店員についても……               部屋に着いた僕はまず、絶句しました。そして軽く鬱になりました。 最後に、ドン引きしました。       『あなたは一体何をしているのでしょうか…出来れば五秒で風呂場へ戻って下さい。そして小一時間程潜っていて下さい』     「それは遠回しに死ねと言っているのか?いや、それは溺れた私を睦月が人工呼吸して助けてくれると言う伏線か。なる程、ドキドキしながら待っているぞ」         タオル一枚体に巻いて、神崎さんが部屋で右往左往していました。   もはや痴女ですよ痴女。   しかし、体のラインに張り付いたタオルを見て、赤面してしまったのは事実。 何よりも驚いたのは、神崎さんが二十分そこらで出て来た事です。   大抵、女性の人って三十分以上かかりませんか?         『流石ドMの神崎さん、羞恥心と言う物がありませんね』   「なに、こうしていれば睦月が襲ってくるかと思ったが……やはり無理だったか。 だが、睦月のために何時もより早く上がったぞ。睦月も入って良いぞ」     『む…ありがとうございます。ですが、その格好は勘弁して下さい』         僕は早めに風呂場に行き、神崎さんから逃げました。 あのまま居たら神崎さんは風邪を引いてしまうでしょうし、僕も恥ずかしいですからね。    
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