第十三話

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      「ふふふ、冗談だよ。確かに甘えたくなったのは事実だが………あながち冗談でもないがな………」     『ボソッと言ったつもりでもしっかりと聞こえてましたよ?そんなに怒られたいんですね。 …良いですよ、トコトン付き合ってあげようじゃないですか』         あるぇー?何で僕はそんな事を言うのでしょうか…?まるで僕まで性欲があるみたいな言い方じゃ……   うん、後 戻 り 不 可 能 !       「ほっ、本気か…!?」   『自分から誘っといて断るんですか?生憎僕も男でしてね…神崎さんや柊さんみたいな人と一つ屋根の下で生活するのは些か性欲が増すんですよ』     「っ…!?」         僕は神崎さんにじりじりとにじり寄り、ベッドの上に足を踏み入れます。   神崎さんを襲う?そんなつもりは微塵もありませんが何か?       『毎日毎日、目を覚ましたすぐに二人が見える……そんな生活をしていたら性欲なんて倍増です。 むしろ今の今までおかしくならないほうが不思議でしたよ。 しかし、今日、神崎さんが誘惑的な発言をしましたからねぇ……男としては、理性にガツンとくる一撃でした』         我ながら饒舌ですねぇ…馬鹿らしいです。まぁ、神崎さんの驚く顔が見たいと言うドS精神から来ている物なんですがね。   思惑通り、神崎さんは想定外と言った表情で固まっていました。     しかしまぁ…風呂上がりに浴衣を着た女性って何だか妙に色気がありますね。   一瞬本気で襲いかかろうとしてビックリしましたよ。       『さぁ、神崎さんの羞恥心を取り戻すための説教でも始めましょうかね』   「…………!」         出始めにまず、神崎さんに向かい合うように近接して座り、神崎さんの頬に手を添えます。   神崎さんの肌はまだしっとり感が残っており、若干赤く染まっていました。     やれやれ…一体脳内ではどんな事を考えて――妄想しているんでしょうかねぇ…?        
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