第十三話

37/47
前へ
/414ページ
次へ
      …まぁ別に良いです。 場合によっては十八禁になるかもしれませんから注意ですよー?     『神崎さん、あーんってして下さい。あーんって』       神崎さんは二、三回目を左右に泳がせたが、恐る恐る口を小さく開けます。 僕はその口に左手である物をねじ込みました。   と、言ってもただの飴なんですがね……そう、 た だ の 飴ですよ。       「うん…!?むぅぅぅ!?」     神崎さんは飴をコロコロと舌で転がし、味を感じた瞬間に顔を真っ赤にして涙を流し始めました。   ふむ、いつぞやの辛い飴の仕返しです。少々悶えて下さい。   僕は神崎さんの両頬を両手で掴み、神崎さんが顔を動かせないようにするのと、飴を吐き出させないようにしています。         『どうですか神崎さん?門宮さん特製の飴のお味は…?』   「ふぁぁぁ!!しらがしびれりゅ…!」     舌が痺れる。 そう言いたいみたいです。 門宮さん特製の飴…恐るべし威力です。材料を知って大量生産したいですね。今後、皆さんを黙らせる時にでも使用したいです。     おっと、そろそろ神崎さんが可哀想ですね、取ってあげないと……       僕は悶える神崎さんの口の中に指を入れ、飴を掴んで引き抜きました。 その一瞬だけで指は唾液でグシャグシャになり、飴もヌルヌルとして気持ち悪い……     「えぅ…しらがピリピリ…」   『神崎さんが余計な事をするからこんな悲劇が起きてしまうのです。分かりましたか?』       僕の聞き返しに、神崎さんはボロボロと涙を流し続けながら頷きました。 僕も満足して、神崎さんから引き抜いた飴を包装紙に包んでゴミ箱へ捨てます。     改めて神崎さんの格好を見ると、顔だけ動かないで体は暴れたのか……浴衣が見頃なまでにはだけていました。   襟元が緩んで鎖骨あたりまで浴衣は解け、帯も緩んで綺麗な素足が太股まで晒しています。       『目に毒…いえ、目の保養……いやいや、性欲を引き出させる格好ですね』   「むひゅきの…ばかもにょ」       おぉぅ、何を言っているかさっぱり分からない…………嘘です、はっきり理解しています。    
/414ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16602人が本棚に入れています
本棚に追加