第十三話

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          ………次に意識を取り戻した時は、やはりベッドの上でした。 神崎さんも僕の下に倒れ、息をかなり荒げていました。 苦しい…とは違う、全く別の意味で荒げているようです。   意識だけなので目は開けていませんが、口の中に異物が侵入しています。 まるで生を受けているかのように予測不能な動きで口内を這いずり回り……       …んちゅ…ちゅっ……       この音が聞こえた途端、口内の異物の正体は神崎さんの舌だと判別出来ました。 よく冷静になると、神崎さんの手が背中に回っていて、僕を拘束しているのが分かりました。   しかし、僕も全身を酷いダルさが支配し、動かせません。         「んっ…んんぅぅ!」       神崎さんの体が激しく痙攣し、僕の体まで伝わってきます。 むぅ…まさか自慰行為をしているのでしょうか……参りました、今目を開けたら気まずすぎるじゃないか。       「また…イッちゃった…キスだけでこんなに……」   『この外道が、です』         うむ、口が滑りました。 確かに気絶した僕も悪いですが、それを利用して自慰行為に励むとは……酷いですよ。     「むひゅき…!?」   『人が意識を失ってしまって、目を覚ましたらこれですか……少々失望しました』       唯一口だけ動くので、取りあえず叱ってみようかと思う。     「睦月だっていけないんだ…!人を散々いじった挙げ句、寸止めとは酷い…!」   『その結果、自慰行為ですか……一体何回果てたんですか?浴衣と足がグチャグチャじゃないですか』         神崎さんの愛液で二人の足と浴衣がビッショビショ……まったく、エロ過ぎです。     「よ…四回…」   『なっ…!?淫乱過ぎです!たかがキスでそんなに…!?』     「うん…だから、既に全身が敏感になっていて……睦月が動く度に気持ちよくなって……」           うっわーーー!!! この場合は看病とかじゃ無いんですか!?何で行為続行してるんですか!?       「今、こうやっているだけでも…私は感じているんだ…気が狂っちゃいそうだ」      
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