第十四話

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      僕の馬鹿な一言で、絶対零度の雰囲気と化したが、なんともタイミング良くバスがやって来た。   ……助かった…!     バスが来たことによって雰囲気が元に戻った僕達は、いそいそとバスに乗り込みました。       「あらら?何だか私達ってツイているねぇ☆今回も誰もいないよ」   『ですねぇ』     ラッキーです。 そして、僕は喫茶店へ行かなければならないので、彼女達が降りる一つ前のバス停で降りるのです。     それまで少し時間はあるので、皆さんと談笑でもしていますかね。         「むつきぃ…寂しかったのー」   『柊さんは甘えん坊ですねぇ…よしよし、僕はここにいますから安心して下さい』       座席に座った瞬間、柊さんが膝の上に乗って向かい合わせに抱きついてきました。 まったく、けしからんです。 神崎さんも柊さんも、女性としての自覚を………いえ、あまり言うとしつこいですから。     僕は柊さんを前に向かせるようにして座り直させ、左手で柊さんの前を通して右肩を掴み、右手で柊さんの頭を撫でます。   柊さんの髪はさらさらとして、手櫛をしてみたのですが一度も引っ掛かる事無く毛先まで通ってしまいました。         「えへへ…むつきは上手なのー……うっとり……」   「飛鳥、そんなに嬉しそうな顔をしたら妬けてしまうじゃないか…睦月、私にもしてくれないか?」       別に良いですが…後ろで門宮さんが目を光らせて手を気持ち悪く動かしてますけど大丈夫なんですか?   あー、すいません手遅れです。     門宮さんが待ってました、と言わんばかりのスピードで神崎さんを後ろから抱き締め、神崎さんの頬に頬摺りをしています。           ふむ、そうですね……女性の方々を猫として見てみると……     柊さんは甘えたがりの子猫。   神崎さんは自立した大人猫。   門宮さんは盛りついたエロ猫。     こんなもんですかね。 門宮さんに至っては、百パーセントの確率で合っていると思うのですが……        
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