第十五話

2/3
前へ
/414ページ
次へ
        さて、ついさっきの言葉で全て終わったと思うんじゃないぞ?   まだまだ俺の話は続くさ。   それが俺の生きる意味であり、吹雪との約束でもあるからな。       約束が何か…だって?   それはだな……       ……いや、やめておこう。   いずれ知ることになるから。       取りあえず今は、過去の記憶に囚われるのは止そうか……大切なのは今…なんだよな?     吹雪、俺が寿命で力尽きたとき、お前が俺を導いてくれよ?   俺が事故にあって力尽きたとき、お前が俺を導いてくれよ?       もしも天国地獄があれば、お前はきっと天国に行っているだろう。   俺が地獄に行ったなら……地獄に行っても、お前の事は忘れない。     未練がましい男だと思っちまうか…?でも、俺が心の奥底から愛しく、記憶の奥底の植え付けた……ただ一人の人物。   そのためだけに、想い続けていたら駄目かな…?             明日原 吹雪   あすはら ふぶき     唯一俺の心を動かし、笑顔と言う感情を思い出させ……   その笑顔が俺の凍った心を溶かした………まるで太陽の輝きを放つ人間だった。       生を失うその瞬間でさえ、なおも輝き続けたその笑顔。   受け継ごう、その意志を…俺が今度は太陽になってやるさ。         だから       だから           ゆっくりと空から俺を見守っていてくれよ?       俺の上には吹雪…お前が永遠と輝き続けているから……      
/414ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16602人が本棚に入れています
本棚に追加