第十六話

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      だけど、その笑顔が新鮮に感じる。もう吹雪の笑顔とは被らないから……嬉しさ覚えてきた。       「ふふふ…睦月は記憶が戻ったらツンデレになるんだな…?駄目だ、やはり私は睦月が好きだ、大好きだ」     『うるさい…!そんな恥ずかしい台詞をよくも言えるものだな。 ……だが、それも悪くはないかもな。その羞恥心を快楽と言う変態道に走るのが神崎らしい』         おっと、つい口が滑ってしまった。まだ神崎に対するドS精神が染み着いているようだ。 思わず口にしてしまう。   そう言えば、俺は神崎と性行為寸前までしたんだったな………俺の馬鹿野郎、人のこと言えないじゃないか。       「なぁ睦月…私はこの家に居て良いのか…?邪魔じゃないのか…?」   『何度も言わせるな。今の俺にはお前が必要…ただそれだけだ』       「むつきがしいなに告白ちゅー…なの…!」         何時の間にか柊が扉の隙間から顔を出して一部始終を見ていた。 どうやら最後しか聞いていなかったようだが……如何せん誤解されたようだな。   その証拠に神崎が慌てて柊に言い訳をしている。     俺は面倒だから何も言わない。 別に神崎の事は嫌いではない。 勿論柊も…だ。   記憶喪失中に神崎や柊……そう言えば門宮もいたな。 そいつらと行動を共にして、今更嫌な気分にはならなかった。     これは過去を乗り越えたと言う証拠か?それとも、あの三人だからか…?   どちらでも良い、俺は彼奴等の事は嫌いじゃないだけさ。                               「…しいなとむつき…らぶらぶ…?」   「睦月が私達に居てほしいとな、睦月はどうやらハーレムを望んでいるらしいんだ」       おいコラ待ちやがれ、いつからそんなにぶっ飛んだ内容になってやがる。    
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