第十六話

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        あっという間に時間は過ぎ、俺達は遊んだ後それぞれの行動をして、就寝まで行き着けた。     んで、また時が流れて朝になった…と言う事だ。   朝起きて、皆で朝食やら着替えやらとして登校の準備を済ませ、俺達は家を出た。     今日はテストが全て返ってくると言うなかなか学生にとって見たくない結果が来る日だ。   参った、流石に不安だ。       「大丈夫だ睦月。もし点数が悪くても私達が慰めてあげよう」   「任せるのー」     『はなっから俺が駄目だったような口振りで言うな。もしかしたら大丈夫かもしれないだろ』         失敬な者達だ。 しかし、少しだけ楽になった。 そこだけは感謝しようか。           俺達は何事もなく登校し、学校に着いたところで神崎と別れ、柊と教室へ向かった。   教室に近付くにつれて、生徒の声で次第に騒がしくなってくる。 俺達はその時に扉を開き、中に入った瞬間にクラスメイトから声が掛かってきた。       「記憶戻ったんだってな?」 「柳葉から聞いたぜ!」 「何やら変わったとか?」   「飛鳥ちゃんはいつも通り可愛いわよ!」 「睦月君、飛鳥ちゃんを私に下さい!」 「義妹にしたい女子一番人気だからね~」         何言っているかさっぱり分からん。全員の声がごちゃ混ぜになって混乱するわ。   それに、皆の声で柊が驚いて隠れたじゃないか。 一応こいつは対人恐怖症の持ち主なんだ、一ヶ月そこらで完治したと思うなよ?     「…むつきが…良いのー……一番安心するから…大好き…なの」         うわっ、顔を赤くした柊がそれを言った瞬間、男女で鼻血出した奴がいる……お前等何でそんなに簡単に鼻血出るんだよ…!?   そんな簡単に出たら出血多量で早死にするぞ?       「オッス睦月……って何だコレ!?地獄絵図じゃねぇか!?」         丁度その時に祐介がやって来て、教室の惨劇を見た途端に叫んだ。 それもそのはず、一部生徒の鼻血で机の上が血まみれになって、床までに滴り落ちているのだから……     この時だけは祐介に共感させてもらおう。       「飛鳥ちゃんの言動に萌えてこんな事に…飛鳥ちゃん…恐ろしい娘」   「うみゅ…私…悪い子…?」     「…………グッハァッ!!」         被害者一名追加。   命名【惨劇を生み出す少女】    
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