第二話

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    こうすれば…流石の神崎でも嫌がり、俺を嫌い、二度と顔を合わせる事もしないだろう……   そんな考えは甘い…甘過ぎた…     「少年に襲われるなら…私はそれを受け入れよう」   『何で…お前はここまで冷たくしても…ここまで酷い事をしても逃げようとしないんだ…!?』     ついに、積み重なる神崎への思いをぶちまけた。 嘆くように…囁くように…弱々しい声で……     「私は昨日初めて少年と出会った時から、今日の今までずっと考えていた。   少年と目を合わせた時、少年と話している時、私の胸がドキドキと鼓動を速くさせ、体が火照っていくように熱くなる……   それが今はっきりと分かった… 私は少年が…神流睦月を好いていると…」       …頭の中が真っ白になった…… 神崎が俺を好き…? 出会ってたった一日だぞ…?     『からかって…るんだろ…?』   「嘘では無い…ほら、この様に私の心臓が凄く速く動いてるだろう…? これは近くに少年がいるからだ」     そう言って神崎は自らの左胸に俺の手を当ててきた。 感触など分からない位、俺は何も考えられなかった。 唯一分かったのは、神崎の心臓が急速に動いている事だけだった。     「だから…私は少年に襲われても、抵抗はしない」     神崎は頬を紅潮させ、目線を横に逸らした。 直後、俺は一気に目が覚め、神崎の上から素早く飛び退いた。   何をしていたんだ俺は…!?     『すま…ない…! 今は…混乱している… 一週間の猶予をくれ…』   「……うむ…返事を待っているぞ……」     そう言って、俺等は逃げるようにして足早に別れ、帰路についたのであった。    
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