第十六話

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            テストも返却され、時間帯は昼休みに入った。 俺と柊、神崎と門宮の四人は何時ものように『花の咲かない桜の木』の下で昼食を取ることにした。   そしてその時初めて、俺と柊のテスト勝負の結果が明かされるだろう。       「睦月、テスト点を見たか?」   『いや、今から柊と見せ合い、合計点が高い方が相手に一つ言うことを聞かせる勝負を行う』     「ななな何だってぇ!?それなら私も参加する!睦月君と勝負勝負☆」           あんたはどうせ学年一位の成績を所持するんだから、俺が勝てるはずが無かろう。神崎もまた然り…だ。   その破天荒な性格で良く高得点が取れるものだな……少々羨ましいかもしれん。     などと言うと付け上がるかもしれないからあえて言わないが……         「むつき…行くよー…?」   『あぁ、勝負だ』       俺達はあらかじめ合計点を出していて、それを言い合うと言う方法。                               王道なら俺は柊に合計点が負けそうだろ?案外違う結果だったものさ。   柊に負けて無理難題を指示され、その反応や対応を見て楽しまれるだとか……そんなのは無い。       結果はもっと悲惨な物だった。      
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