第十六話

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        ふむ、少し罵ってでもしてやろうか。何よりも距離を置きたいし、ペースを崩される。     『あぁ、アレか?直に俺の姿を見て視姦するのか?この変態が』   「して良いのか?」         あれー? 予想外の返答が来たよー? ………嘘だろおい。       「うん、睦月が良いならば視姦しよう。 まずは睦月を拷問器具で捕らえて……くふふふ」   『辞めろ、今すぐ辞めろ。 近寄るんじゃない…! 捕まってたまるものか…!』         脱兎の如く逃走準備を整えるが、神崎は怪しく笑っている。 目がなにやら本気なのは気のせいだ、気のせいに違いない、そうであって欲しい。     おっと、そう言えばメモ内容を確認するのを忘れていた。         『えーと…林檎二個、蜜柑一袋、蜂蜜一瓶……葡萄酒一リットル!?』   「見事に果物パラダイスだな。恐らく葡萄酒はマスターが飲むのであろう」       あの人が酒を飲んだことは無いはず。ならば何故葡萄酒なんか必要なのか…… 分からん、取りあえず購入すれば良いだろう。   まずは八百屋か。         『変態女、八百屋に行くぞ』   「むっ…今夜飛鳥と一緒に睦月を虐めてやるぞ…」   『やってみろ、即刻お前等を家から追い出してやる』       神崎は慌てて拒絶してきた。 謝るなら最初から言わなければ良かろうに……      
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