第十七話

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        さて、久しぶりの俺視点……いや、何でもないから気にしないでほしい。   それよりも、遂に話してしまった…話すべきだった。 隠し事は無く、真実の俺を受け止めてどんな反応をするのか知りたかった。     結果、彼女達は純粋な気持ちで受け取ってくれた。 哀れみや同情などではなく、自分自身がその状況に陥った場合の心情になってくれた。   それが分かっただけで、少なくとも彼女達が俺の恋愛対象に入っているだろう。         俺は彼女達に嘘を付いた。   正直俺は愛情などを忘れてはいない。きちんと恋愛を知っているし、何が愛情なのかも…だ。     ただ俺が分からないのは、以前のように胸の高まりや、胸が熱くなる感覚が無くなってしまった理由。   その感覚を思い出した瞬間、その人を俺が好いている事になるのだろう。         『案外、その感覚を思い出すのもそう遅くは無いかもな』         ……いや、どうだろうかな。   一番俺が嫌いなのは自己中心的な奴。周りを見ないで自分が一番だと主張している奴は大嫌いだ。   勿論、神崎や柊、門宮はそのような性格では無いのが感じ取れた。 だが、人間誰しもどうなるかは分からないからな……           おっと、もうそろそろ神崎も風呂から上がるだろうし、神崎が上がったら俺はすぐに寝るとしようかな。   ……部屋に鍵を掛けておいた方が良いかもしれないな。 自意識過剰かもしれないが、一応用心のためだぞ…?    
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