第十七話

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        俺は神崎をベッドに強制的に寝かせ、布団を掛けてやった。 その際、未だに酒が抜けていない神崎は多少抵抗したが、流石に女の力は男の俺には叶わなかったようで、手こずったが寝かせることが出来た。     だが、神崎は渋々布団に入っているらしく、ジト目で俺を睨んでくる。   睨まれる筋合いは無い。 元はと言えば、神崎が酒を飲んだのが悪い。         「睦月、あっつい…!」   『顔に水を掛けてほしいのか?水を飲め水を』     「………口移し……」           俺は神崎の顔に水をぶっかけてやった。悪いとは思わない。くだらない冗談を言ってきた神崎が悪い。   少々ベッドが濡れたが、神崎も目を覚ましただろう。       『これで頭を冷やせ、馬鹿者』   「あっつい…!」             今度は神崎の口を開かせて水を突っ込んでやった。   残りは十分の一になったが、これで覚まさなかったら風呂場で冷水を浴びせてやる。         「うーん…冷たい…目は覚めたよ。でも、ここまでしなくたって良いじゃないか」   『よし、次は熱湯にしてやるから、もう一度酔っ払え』       神崎の肩に手を乗っけて諭すと、神崎の顔からどんどんと血の気が引いていって青くなってきた。       「ごっ…ごめんなさい……もう間違いは起こしません」   『ならば良い、次は容赦はしないからな』       もう寝かせてくれ。       「よし睦月、私も一緒に寝たいからベッドに入れさせてほしい」                   残りの水を全て神崎に掛けてやった、後悔はしていない。 むしろ清々しい。    
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