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俺は神崎をベッドに強制的に寝かせ、布団を掛けてやった。
その際、未だに酒が抜けていない神崎は多少抵抗したが、流石に女の力は男の俺には叶わなかったようで、手こずったが寝かせることが出来た。
だが、神崎は渋々布団に入っているらしく、ジト目で俺を睨んでくる。
睨まれる筋合いは無い。
元はと言えば、神崎が酒を飲んだのが悪い。
「睦月、あっつい…!」
『顔に水を掛けてほしいのか?水を飲め水を』
「………口移し……」
俺は神崎の顔に水をぶっかけてやった。悪いとは思わない。くだらない冗談を言ってきた神崎が悪い。
少々ベッドが濡れたが、神崎も目を覚ましただろう。
『これで頭を冷やせ、馬鹿者』
「あっつい…!」
今度は神崎の口を開かせて水を突っ込んでやった。
残りは十分の一になったが、これで覚まさなかったら風呂場で冷水を浴びせてやる。
「うーん…冷たい…目は覚めたよ。でも、ここまでしなくたって良いじゃないか」
『よし、次は熱湯にしてやるから、もう一度酔っ払え』
神崎の肩に手を乗っけて諭すと、神崎の顔からどんどんと血の気が引いていって青くなってきた。
「ごっ…ごめんなさい……もう間違いは起こしません」
『ならば良い、次は容赦はしないからな』
もう寝かせてくれ。
「よし睦月、私も一緒に寝たいからベッドに入れさせてほしい」
残りの水を全て神崎に掛けてやった、後悔はしていない。
むしろ清々しい。
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