第十七話

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      ぽたぽた、と神崎から滴る水の雫。全力で掛けたから寝間着まで若干濡れていた。   どうやら神崎は寝間着の下に下着を付けていないようで、素肌にピタリと濡れた寝間着が引っ付いていた。     ……いや、だからって興奮とかしないけどね。 過去に何度も吹雪とのやり取りでこんなの日常茶飯事だったし。   取りあえず、風邪だけは引かないでほしい……面倒だから。         『乾かしてから寝ろ、以上』   「睦月…女の子にそれは無いんじゃないか…?」       どこにそんな普通な女の子がいる?少なくとも俺の前には超卑猥、変態、痴女の三拍子が揃った女なら居るが……   しかし神崎がウダウダとうるさいので、沢山のタオルを取り出して神崎をす巻きにして俺のベッドに再び寝せた。         「……睦月…真面目に一緒に寝てくれないか?私は心配になって眠れないんだ」   『なら、俺の枕でも抱き締めとけ。俺は寝相が悪いから怪我させちまう』     「むしろガッ、ってやってくれ。ガッ、って」           変態!ここに変態が居る!     何だかこのままにすると呪われそうだから、神崎はす巻きにさせた状態で俺は共にベッドに入った。   限界まで端に寄り、神崎から距離を取る。       神崎も安心したのか、ゆっくりと寝息を立て始めたようだった。   これで、ようやく俺も眠れそうだ……        
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