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取りあえず俺は神崎を力ずくで退かし、熱湯を持ってくるために立ち上がろうとした。
だが、それは叶わなかった。
神崎が俺の右手を指を絡ませしっかりと握っていて、離さまいとしていたからだ。
故に俺は、左手で目覚まし時計を掴み、神崎の耳元でベルを鳴らした。
それも出来る限り大音量に設定して、俺は片耳を左手で塞いでから…行った。
けたたましく鳴り響くそれは、神崎の目を覚まさせるのに充分過ぎる威力を誇っていたらしく、神崎は飛び起きた。
「ななななぁっ!?」
『迷惑かけるのもほどほどにしろ…!』
力はあまり入れずに神崎の頬を摘むと、想像以上に神崎の頬は柔らかかった。
神崎も起床し、俺は学校へ行く支度を始める。
朝飯は焼いたトーストで、その上にバターとジャムを乗せた簡単な物。
それを口にくわえ、俺は支度を再開する。
そうだ、神崎にかける熱湯も準備しないとなぁ……沸騰していて良いか。
神崎も自分で支度をして、神崎もまた焼いたトーストを口にくわえていた。
俺達は全ての支度を難なく済ませ、少々早めに家を出ることにした。
門宮の家に寄ってから学校に行くため、多少早めに行かないと間に合わない。
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