第十七話

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            今現在、俺達は門宮の家へ向かっていて、俺は忌々しげに神崎と距離を取りながら歩いている。   何故忌々しげに……かと言うと、熱湯を持っていこうとしたら神崎に全力で止められたからだ。     自分が悪いのに、罰を受けないとは…卑怯なり。       「機嫌を直してくれないか?私が悪かったから…!」   『門宮の家で熱湯貰うか。常備しておかないと危険だからなぁ…』         そう言いながら、俺は神崎に近付いて手を握った。 何気に神崎の手は、柔軟剤を使って洗ったタオル以上にふわふわと柔らかく、気に入ったのさ。     神崎は驚いたようで、俺の顔と繋がれた手を何度も見返していた。   ……それ位は駄目なのか…?         『ん、これで許す』       途端に神崎の顔は明るくなり、一気に気分が良くなっていた。 何とも現金な奴だ。 最初に出会った時とは性格とか俺への対応が全く違うぞ…?     「ふふふ…ツンデレ睦月」     ムカついたから少々強く手を握ってやった。取りあえずギュッと強く。 抓ってやろうかと思ったが、そこまでは面倒だから止めた。         少し歩いていたら、神崎が門宮の家に着いたと言ってきた。 目の前には、普通の一家よりも三周り位大きな屋敷。更には木材で製作された門。 どうやらこの大きな屋敷が門宮の家のようで、なかなか入るにのは気後れしてしまうだろう。   だが、神崎は普通に門を開けた。ごく普通に、開けた。 すると中には何人もの女性が彷徨いていたのが見えた。     まだ家内に入っていない庭なのに、沢山の女性がいた。 しかも何故か屋敷には似合わないメイド服や執事服をそれぞれ着ていて、門から別世界に感じたのは俺だけじゃないはず。       言わせてもらうと……凄くカオスな光景だった。思わず逃げ出しそうになってしまったぞ。      
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